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睡眠障害・不眠症の治し方|効果的な7つのセルフケア方法も解説
2025.1.14

睡眠障害・不眠症の治し方|効果的な7つのセルフケア方法も解説

河田由美子

河田由美子

このコラムの監修医師

大垣宣敬

医療法人社団 紡潤会 理事長・新宿うるおいこころのクリニック 院長。杏林大学医学部卒。患者様中心の医療を心がけながら精神科・心療内科治療に関わっている。  

「夜になってもなかなか寝つけない」
「夜中に何度も目が覚めてしまう」

といった睡眠の悩みを抱えていませんか?

睡眠障害・不眠症は、適切な治療やセルフケアによって改善が期待できる病気です。福岡天神メンタルクリニックでは、薬物療法、精神療法など幅広い治療を取り入れています。

この記事では、以下の内容について詳しく解説します。

  • 睡眠障害、不眠症の治し方
  • 自分でできるセルフケアの方法
  • 睡眠障害・不眠症のタイプと原因

正しい知識を理解し、良質な睡眠を取り戻しましょう。

睡眠障害・不眠症の治し方

睡眠障害・不眠症の治し方は、主に3つです。

1.薬物療法

睡眠障害・不眠症の治療において、薬物療法は効果的な方法の一つです。症状や状態に応じ、睡眠薬や抗不安薬・抗うつ薬などが処方されます。

ただし、薬物療法には効果が期待できる反面、注意が必要な点もあることを覚えておきましょう。特にベンゾジアゼピン系の薬剤は、以下のような長期使用による依存性のリスクが指摘されています。

  • リバウンド不眠:薬を中止した際に不眠症が悪化する
  • 反跳性不眠:連用により薬を使用しないと眠れなくなる

薬物療法は、医師の指導のもと適切な期間・量を守ることが重要です。

2.精神療法

認知行動療法は、睡眠障害や不眠症の治療において効果が高い精神療法の一つです。

不眠に悩む人は、自己否定的な思考や、眠れないことへの恐怖といった否定的な考え方を抱えていることが多いです。例えば、以下のように考えてしまい、さらに不眠を悪化させてしまう場合があります。

  • 寝つけないことで、自分にはもう希望がないと感じる
  • どんなに頑張っても眠れないと考える

認知行動療法は、地に足のついた現実的で柔軟性のある考え方に捉え直すことを目指す治療法です。自分自身の思考パターンを振り返り、今現在の問題に対処していけるようサポートします。

(出典元:国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター

例えば「今日眠れなかったらどうしよう」という思考を「少し眠れなくても休むだけで体はリフレッシュできる」といった考えに変えることが大切です。

福岡天神メンタルクリニックでは、公認心理師や臨床心理士がカウンセリングを通して認知行動療法を実施しています。睡眠障害でお悩みの方は、まずは医療機関を受診し相談してみましょう。

 

自分でできる睡眠障害・不眠症の治し方

睡眠障害や不眠症は、精神科や心療内科などの医療機関での治療に加え、日常生活の中で改善を試みることも大切です。ここでは、自分でできるセルフケアの方法を紹介します。

1.起床時に太陽の光を浴びる

朝起きたらまずカーテンを開けて、太陽の光を浴びましょう。

人間の体は「サーカディアンリズム」と呼ばれる24時間周期の生体リズムによって、睡眠や覚醒のタイミングを調整しています。毎朝同じ時間に起きて太陽光を浴びることで、脳内のメラトニンというホルモンの分泌が抑えられ覚醒が促されます。

また、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌が促されるため、自然な眠気が訪れるようになるでしょう。

2.食事をバランスよく摂取する

睡眠の質を向上させるためには、食事をバランスよく摂取することが重要です。特に、ビタミンB群やマグネシウムなどの栄養素は、睡眠ホルモンであるメラトニンの生成に必要な栄養素です。

例えば、以下のような食品は睡眠に関連する栄養素を多く含んでいるため、毎日の食事に積極的に取り入れるとよいでしょう。

睡眠に良い栄養を含む食材例
・ナッツ類
・緑黄色野菜
・魚

 

また、夜遅くに重い食事を摂ると消化活動が活発になり、睡眠を妨げることがあります。夕食は寝る2〜3時間前までに済ませ、消化によい軽めの食事を心がけてみてください。

3.適度に運動する

適度な運動も、睡眠障害・不眠症の改善に効果的です。運動は体を疲れさせ、自然な眠気を促すだけでなく、ストレスを解消しリラックスさせてくれます。

特に、以下のような有酸素運動がおすすめです。

有酸素運動の例
・ウォーキング
・ジョギング
・サイクリング

 

ただし、寝る直前に激しい運動をすると、交感神経が活発になります。逆に眠りにくくなるため、朝や昼間に行いましょう。

4.睡眠日誌を書く

睡眠日誌を書いてみましょう。睡眠パターンや、夜中に目が覚めた時間などを記録することで、自分の睡眠傾向や問題点が明確になります。

具体的には、ベッドに横になっていた時間帯に矢印(⇔)を記載し、眠っていた時間帯は塗りつぶします。

  • ぐっすり眠っていた時間帯:濃い色
  • うとうとしていた時間帯:斜線

(引用元:NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター

起床時に、夜の様子を思い出して記載することがポイントです。睡眠日誌の内容を主治医と共有することで、適切なアプローチを見つけやすくなることもメリットです。

5.ツボ押しする

ツボ押しは、リラックス効果や睡眠促進に効果があるとされています。睡眠障害に効果的なツボとして「失眠穴(しつみんけつ)」や「丹田(たんでん)」といったツボが知られています。

  • 失眠穴:足の裏側で、かかと中央の少し凹んだところにある
  • 丹田:おへその3~5センチ下にある

ツボ押しは自宅で簡単に実践できるため、就寝前に取り入れてみるとよいでしょう。ただし、効果には個人差があります。

6.呼吸法や瞑想を取り入れる

一般的な呼吸法や瞑想にはリラックス効果があり、就寝前に取り入れることで睡眠の質を高める可能性があることが分かっています。

(出典元:厚生労働省 健康づくりのための睡眠ガイド2023

腹式呼吸を活用することで、副交感神経が優位になります。また、静かな環境で雑念を取り除く時間を持つことで、心が落ち着きます。就寝前に瞑想することで、自然な眠りにつきやすくなるでしょう。

7.入浴やアロマでリラックスする

入浴は体温を適度に上げ、心身をリラックスさせてくれます。就寝2〜3時間前に38℃のゆるめのお湯に25〜30分程度浸かることで、入眠効果が認められています。

(出典元:e-ヘルスネット:厚生労働省(快眠と生活習慣)

また、アロマは嗅覚を通して心を落ち着かせる効果があります。リラックス効果が高いとされているアロマは、以下のとおりです。

  • ラベンダー
  • カモミール

ただし、セルフケアでは改善しない場合もあります。睡眠障害でお悩みの方は、まずは医療機関を受診し相談しましょう。

 

睡眠障害・不眠症の主な4つのタイプ

睡眠障害や不眠症の背景について理解しておきましょう。ここでは、睡眠障害や不眠症の主な4つのタイプについて解説します。

1.入眠障害

入眠障害とは
布団に入ってもなかなか寝付けない状態

 

ストレスや不安・考え事が原因になることがほとんどです。考え事が止まらないため、心が休まらず、入眠できなくなります。

2.中途覚醒

中途覚醒とは
夜中に目が覚めてしまいなかなか再入眠できない状態

 

年齢とともに増える傾向があり、ストレスだけでなく睡眠時無呼吸症候群や頻尿といった身体的な要因も原因となる場合があります。

3.早朝覚醒

早朝覚醒とは
早朝覚醒は、予定よりも早く目が覚めてしまい、再度眠れなくなる状態

 

特に、うつ病との関連が深いとされているため、長期間続いている場合は専門医の診察を受けましょう。

4.熟眠障害

熟眠障害
十分な睡眠時間を取っているにもかかわらず、ぐっすり眠れたという感覚が得られない状態

 

深い睡眠が不足しているため、疲れが残ったまま朝を迎えることが多いです。

睡眠障害・不眠症の主な5つの原因

睡眠障害や不眠症には、さまざまな原因が関与しています。ここでは、考えられる主な5つの原因を紹介します。

1.ストレスや心理的要因

ストレスは、現代における睡眠障害の主な原因の一つです。仕事や家庭・対人関係のストレスは交感神経を活性化させるため、心拍数や血圧が上がりリラックスしにくくなります。

特に、寝る前に考え事や心配事が頭から離れない状態では、心身が休まらず入眠が難しいでしょう。長引くと、慢性的な不眠につながることが多いです。

また、まじめで神経質なタイプの人はストレスを強く感じ、不眠にこだわりやすいため、不眠症になりやすいと言われています。

2.精神的な疾患

うつ病や不安障害・双極性障害などの精神的な疾患は、睡眠障害の大きな原因です。精神疾患は、心の不調が直接的に睡眠に悪影響を及ぼし、入眠困難や中途覚醒・早朝覚醒といった症状を引き起こします。

特に、うつ病は朝早く目が覚めてしまい、その後眠ることができない早朝覚醒をきたすことが多いです。精神疾患に関連する睡眠障害は症状が長引くことが多いため、早目に専門医の治療を受ける必要があります。

3.生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れも、睡眠障害の原因となります。例えば、以下のような場合です。

  • 夜遅くまでスマートフォンやパソコンの画面を見続ける
  • 寝る直前に重い食事を摂る
  • 昼夜逆転の生活をしている

睡眠リズムを乱す行動が続くと体内時計が狂い、眠りが浅くなったり、眠れなくなったりします。できるだけ規則正しい生活を心がけましょう。

4.アルコールや薬物の使用

アルコールや薬物の使用も、睡眠に悪影響があります。

就寝前に飲酒すると、リラックスして眠りやすくなるように思えます。しかし、実際は夜中に目が覚めやすくなるなど睡眠の質を低下させるため、控えましょう。

また、一部の治療薬は不眠を引き起こす場合もあるため、注意が必要です。例えば、降圧剤は交感神経を刺激し、夜間の心拍数や血圧を高めて眠りを妨げることがあります。気になる場合は、主治医に相談してみましょう。

5.身体的な疾患

身体的な疾患も、睡眠障害の原因として考えられます。例えば、以下のような疾患の場合、夜間に何度も目が覚めてしまい、深い眠りにつけません。

  • 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
  • 喘息
  • 慢性的な痛み(腰痛や関節痛など)

また、頻尿やホルモンの変動が原因で夜中に何度もトイレに行く場合、睡眠の質が著しく低下します。身体的な疾患に伴う不眠は、基礎疾患の治療と並行し、睡眠障害を改善していく必要があります。

睡眠障害・不眠症に関するよくある質問

ここでは、睡眠障害・不眠症に関するよく寄せられる質問に対する回答をまとめました。

Q:不眠症は一生治らないのですか?

不眠症は多くの場合、適切な治療や生活習慣の見直し、ストレス管理などによって改善が可能です。また、精神疾患や身体的な要因がある場合、病気の治療により改善されることもあります。

早めに受診し、専門医に相談しましょう。

Q:不眠症は突然治ることもありますか?

例えば、ストレスの軽減や生活環境の変化がきっかけで、急に睡眠の質が改善する場合もあります。

しかし、一般的には継続的な治療や生活習慣の改善が必要です。再発のリスクもあるため、根本的な原因に対する治療やセルフケアの継続が大切です。

Q:不眠症が治ったきっかけを知りたいです

不眠症が改善するきっかけとして多いのは、生活習慣の改善や認知行動療法の実践、ストレス管理などです。

また、心療内科や精神科での治療により、不安やうつ状態が改善されて不眠が治ることがあります。個々の状況により異なるため、医師と相談して適切な方法を見つけることが大切です。

まとめ

睡眠障害や不眠症は、適切な治療やセルフケアを行うことで十分に改善可能です。

福岡天神メンタルクリニックでは、心療内科医が一人ひとりに合った治療法を提案し、薬物療法や認知行動療法などを含む幅広いアプローチで睡眠の質向上を目指しています。

日常生活の改善やストレス管理と併せて、健康的な生活を取り戻すサポートを行っています。睡眠障害・不眠症でお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。

 

このコラムを執筆した人
河田由美子

看護師として心療内科・精神科病院に10年間勤務。メンタルケアやストレスマネジメントの知識と経験が豊富。薬機法・医療法(YMAA)・景品表示法・特定商取引法(KTAA)認証資格を保有しており、法的知見を活かした医療ライティングが強み。科学的根拠に基づいた正しくわかりやすい執筆により、信頼性の高い記事作成を心がけている。SEO対策や医療広告ガイドラインを遵守した執筆実績も多数。

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