「自律神経失調症の診断書をすぐもらうにはどうすればよい?」
「もらえないパターンや具体的に受け取るまでの流れを知りたい」
と悩んでいませんか?
診断書の提出は労働基準法に規定がありません。しかし、就業規則に記載があれば労働契約の内容になりますので、従業員は診断書の提出が必要となることがあります。
自律神経失調症の診断書を取得したからといって、必ずしも休職しなければならないわけではありません。また、自律神経失調症の診断のみでは休職を認められない場合があるので、事前に就業規則の規定を確認してください。
本記事では、診断書をすぐにもらうための3つの条件をはじめとして、以下の内容を解説します。
- 診断書がすぐにもらえないパターン
- 診断書が必要な3つのパターン
- 診断書のもらい方から休職までの7ステップ
- 診断書を交付してもらう際の3つの注意点
- 診断書に関する3つの疑問
できるだけ早く診断書を受け取りたい方は、参考にしてください。
目次
自律神経失調症の診断書をすぐもらえるようにする3つの条件
自律神経失調症の診断書をすぐもらえるようにする3つの条件は、下記の通りです。
- 具体的に症状を伝えられるようにする
- 当日発行に対応している医療機関を利用する
- 予約の際に診断書の利用目的を伝える
それぞれの詳細を解説します。
1.具体的に症状を伝えられるようにする
診断書を発行してもらうには、自律神経失調症の具体的な症状を医師に伝える必要があります。症状が曖昧であると医師は診断を下すのが難しいことがあるためです。
例えば下記のように具体的な症状を伝えます。
- 体がだるく疲れやすい日々が続いている
- 頭が重たい感じや頭痛、めまいなどがする
- 理由もなく息苦しさや胸がドキドキする感じがする
- 手がふるえたりしびれたりする
- 食欲がなく吐き気を伴うときがある
自律神経失調症の症状は多岐に渡ります。日頃からどのような症状に悩まされているかをメモしておくと、スムーズに医師へ伝えられるでしょう。
2.当日発行に対応している医療機関を利用する
診断書を当日に発行できるかどうかは医療機関により異なります。そのため、診断書がすぐに欲しい場合は、利用する病院や診療所が即日発行に対応しているかを確認しましょう。事前に医療機関のホームページ、または問い合わせ窓口に連絡して確認してください。
受診当日に担当の医師が出張や休診によりいない場合はすぐに発行できないこともあります。受診日の担当医師も確認しておくことが大切です。追加で検査が必要なこともあるため、時間に余裕がある日に予約しましょう。
3.予約の際に診断書の利用目的を伝える
診断書を迅速に発行してもらうためには、予約の際に診断書の利用目的を伝えておくことが大切です。休職や休学、公的制度の利用など診断書の利用目的を事前に把握してもらうと、速やかな発行につながるためです。利用目的によっては、すぐに発行できないこともあります。
自律神経失調症の診断書がすぐにもらえないパターン
自律神経失調症の診断書がすぐにもらえないパターンには次のようなものが挙げられます。
- 症状が曖昧で医師が診断を下すのが困難である
- 診断書を当日発行できない医療機関である
- 医師が診断書の発行を拒否する
症状を曖昧に伝えてしまうと診断を下すことが難しいです。経過観察の期間が必要になり、診断書がもらえないケースがあります。
また、当日発行に対応していない医療機関は、診断書をすぐには発行できません。特に大学病院など規模の大きな機関では、診断書や各種証明書発行専用の窓口で申請するケースもあり、当日発行に対応できないことが多いため、すぐにもらいたい方は診療所などを受診してみるとよいでしょう。
場合によっては、医師が診断書の発行を断ることも考えられます。医師が診断書発行を拒むことができる正当な事由としては、次のようなものが挙げられます。
- 医学判断が不可能な場合
- 患者に病名を知らせることが好ましくない場合
- 診断書が恐喝や詐欺など不正使用される恐れがある場合
- 雇用者や家族など第三者が請求してきた場合
自律神経失調症の診断書が必要な3つのパターン
自律神経失調症の診断書が必要な3つのパターンには次のようなものが挙げられます。
- 休職をするとき
- 業務内容の調整をするとき
- 公的制度の申請をするとき
それぞれの詳細を解説します。
1.休職をするとき
病気や障害を理由に休職をする際は、診断書が必要な場合が多いです。必要である場合は、勤め先の就業規則の中に「医師による診断書を提出しなければならない」と記載されています。
医師の診断による病気の証明があれば、勤め先の理解も得られやすいです。診断書には、休職開始日と終了日を記載することが一般的です。病名、症状の経過、通院や入院による治療の必要性、休職の期間、 療養事項など、具体的に記載してもらうことが大切です。
2.業務内容の調整をするとき
病気や障害を理由に業務内容を調整する際も、勤め先から診断書の提出を求められる可能性があります。就業規則によっては、診断書に下記の内容の記載義務を定めています。
- どの程度の勤務時間の短縮が必要か
- 具体的にどの程度の業務軽減が必要か
- 可能な業務形態はなにか
業務調整をスムーズに進めるために、診断書には具体的な配慮の内容を記載してもらいましょう。
3.公的制度の申請をするとき
公的制度を利用する際には、制度の内容に応じた診断書が必要となることが一般的です。診断書が必要な公的制度の例には次のようなものが挙げられます。
- 精神障害者保健福祉手帳
- 身体障害者手帳
公的制度を申請する際の診断書は、自治体ごとに決まった形式があります。事前に各自治体の福祉センターなどに問い合わせておきましょう。精神障害保健福祉手帳などを交付されると、就労支援や医療費控除を受けられます。
自律神経失調症の診断書のもらい方から休職までの7ステップ
自律神経失調症の診断書のもらい方から休職までのステップの例を見てみましょう。
- 精神科・心療内科で医師に診断を受ける
- 診断書の依頼をする
- 診断書をもらう
- 診断書の内容を確認する
- 会社に診断書と休職願を提出する
- 仕事の引き継ぎをする
- 自宅療養をする
それぞれの詳細を解説します。
1.精神科・心療内科で医師に診断を受ける
まず、自律神経失調症の場合は精神科・心療内科に問い合わせて、診断書を当日発行できるかを確認してから予約をします。病状に沿った医療機関でなければ、専門的な視点から診断書を書いてもらえないことがあるため注意が必要です。
「症状が現れた時期」「心身の負担になっていること」「具体的な症状」などをわかる範囲でメモしておくと診断の助けとなります。
2.診断書の依頼をする
医師に自律神経失調症と診断されたら、診断書を発行してほしいことを伝えます。その際に利用目的と提出先を伝えることを忘れないようにしましょう。利用目的と提出先に応じて診断書の様式や記載内容が異なるためです。
医療機関によっては「診断書等受付窓口」など、専用の窓口での手続きが必要となる場合があります。その際は申込書に診断書の利用目的を記載しておきましょう。記載欄がない場合は、備考欄に書き添えると良いでしょう。
窓口で申し込みする際は、一般的に下記の書類が必要です。
・申込書
・診断書の様式(ある場合)
・診察券
・診断書の様式(ある場合)
・本人の診察券のコピー
・本人の身分証明書
・委任状の原本
必要な書類等は医療機関によって異なります。また、郵送での申請では身分証明書のコピーを提出するなど、条件が変わるかもしれません。
受診する医療機関のホームページなどで事前に確認しましょう。診療所であれば、その場で発行を依頼して、即日対応できることが多いです。事前の確認と予約を済ませておくとスムーズです。
3.診断書をもらう
診断書の依頼が済んだら発行されるのを待ちます。医療機関により、診断書の発行までに2〜3週間かかることもあります。一般的に窓口で受け取る際は次に挙げるものが必要です。
・本人確認書類
・書類代金
・委任状
・受け取りをする方の本人確認書類
・書類代金
こちらも医療機関により、必要な書類が異なる場合があるため事前に確認してください。
4.診断書の内容を確認する
交付されたあとは、診断書の内容に不備がないか確認しましょう。一般的に休職のための診断書には、下記の内容が記載されています。
- 氏名
- 住所
- 生年月日
- 傷病名
- 症状
- 医師が必要と判断した休職期間
診断書の内容に不備があった場合は、早めに医療機関に問い合わせて修正を依頼しましょう。
※検査内容については専門的になるので判断が難しい場合は、弁護士に診断書を見てもらうことをおすすめします。
5.会社に診断書と休職願を提出する
診断書が交付されたら休職願とともに、職場の上司や人事担当に提出します。事前に下記のような相談をすることも大切です。
- 休職の期間
- 傷病手当金などの申請方法
- 職場が紹介してくれる職場復職支援サービスの有無
休職から復帰までをスムーズに進めるために、職場の担当者と医師との連絡手段を整えておくことも大切です。
6.仕事の引き継ぎをする
休職の前に担当していた仕事の引き継ぎをすることも重要です。他の社員の業務に支障をきたさないように配慮しましょう。主に下記を引き継ぎます。
- プロジェクトの進捗状況や目標、課題
- プロジェクトにおけるマニュアル
- 日常業務における細かなポイントや注意点
できる限り引き継ぎを実施することで、安心して療養に入ることができます。速やかに後任者を決め、引き継ぎが長引いてしまうと症状が悪化することもありますので、上司や人事担当者と相談して調整しましょう。
7.自宅療養をする
自宅療養に入ったら心身を休めることに専念しましょう。
- 十分な睡眠
- バランスのよい食事
- 適度な運動習慣
また、自律神経失調症の治療では、日々の状態や症状を客観的に把握しながら進めることが重要です。症状があるときだけ受診するのではなく、定期的に通院して医師の診察を受けながら療養してください。
自律神経失調症は、多岐にわたる症状やストレスの原因などについて、医師に知ってもらうことで治療を適切に進められます。気軽に相談と通院ができるかかりつけの病院や診療所などが適切な治療を受けるために適しているでしょう。
自律神経失調症の診断書を交付してもらう際の3つの注意点
自律神経失調症の診断書を交付してもらう際の注意点として次のようなものが挙げられます。
- 別途費用がかかる
- 診断書は有効期限がある
- 公的制度の申請しておく
それぞれの詳細を解説します。
1.別途費用がかかる
診断書を交付してもらうには別途費用が必要です。料金は2,000〜10,000円程度で、診断書の記載内容や医療機関によって異なります。保険は適用されず全額自己負担での支払いです。診断書を発行してもらう前に料金の確認をしておきましょう。
2.診断書は有効期限がある
一般的に診断書には「発行から3ヵ月以内」という有効期限があります。有効期限を過ぎると診断書の再発行が必要です。診断書の発行から休職までに必要な期間を事前に計画しておきましょう。
3.公的制度の申請をする
自律神経失調症で自宅療養する際は、経済的な負担を軽減するために公的制度の利用を推奨します。公的制度には以下のようなものがあります。
公的制度の詳細については職場や保険組合、管轄の自治体などに相談しましょう。
自律神経失調症の診断書に関する3つの疑問
ここでは、自律神経失調症の診断書に関するよくある3つの疑問にお答えします。
- 診断書を発行してもらえないときは?
- 診断書がないと休職できない?
- 診断書の記載内容は指定できる?
それぞれの詳細を確認しておきましょう。
1.診断書を発行してもらえないときは?
医師は患者様本人から診断書の発行を依頼された場合は、正当な理由がなければ拒否できません。発行してもらえない理由をまず確認しましょう。
また、定期的に受診している場合は、医師との関係性が悪くなるため法律を盾に争うのはおすすめできません。他の医療機関を検討することも選択肢の1つです。
患者様本人以外からの発行依頼があった場合や、医師が自ら診察していない場合は、診断書の発行ができないため注意してください。
2.診断書がないと休職できない?
日本心身医学会の定義によると、「自律神経失調症とは、種々の自律神経系の不定愁訴を有し、しかも臨床検査では器質的病変が認められず、かつ顕著な精神障害のないもの」とされています。正式な病名ではなく、自律神経のバランスが崩れることで心身に不調が生じる状態を指す言葉です。そのため、診断書があっても休職できない場合があることを前提として理解してください。
その上で、提出の義務があるかどうか企業の就業規則を確認して明らかにしましょう。就業規則の中で診断書の提出の義務を規定していない企業なら、診断書なしで休職できることもあります。
3.診断書の記載内容は指定できる?
診断書に記載する内容は、医師が作成するため、患者様の希望に沿えない場合もあります。診断書は、患者様を診察してその状況を公正かつ客観的に判断した内容を記載するためです。
職場に提出する際に必要な記載内容がある場合は調整可能です。医師にどのような記載内容が必要であるのかを明確に伝えましょう。
まとめ
自律神経失調症の診断書をもらうためには、日頃から悩まされている症状や、どのように日常生活へ支障をきたしているのかを医師に伝えることが大切。すぐに診断書をもらいたいのであれば、即日発行に対応している診療所などを探しましょう。
福岡天神メンタルクリニックでは、診断書の即日発行にも対応しています。ただし、患者様の状態や通院状況によっては当日発行できないこともあります。気になる方は気軽にお問い合わせをしてください。