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うつ病の診断書が必要になったけれども「心療内科に行けばすぐにもらえるの?」「書いてくれなかったらどうしよう…」と不安に思っていませんか?
診断書の発行に日数を要すると、休職や保険の手続きが遅れてしまうかもしれず、心配になりますよね。
この記事では、うつ病の診断書を即日発行してもらうために必要な準備、記載される内容、必要となる場面などを詳しく解説します。ポイントを押さえた準備と知識があれば、スムーズに診断書をもらえるでしょう。
うつ病の診断書は即日もらえるケースもある
うつ病の診断書は、即日もらえるケースがあります。
医師が既に診断を確定している場合や、患者様が以前から通院している場合は、診断書の即日発行がスムーズに行われることが多いです。医師が患者様の状態や経過をよく把握していることが多く、追加の診察や検査が不要だからです。
また、症状が悪化しており、休職して急遽入院する必要がある場合なども、診断書をすぐに書いてもらえる可能性があります。
うつ病の診断書を即日書いてくれない3つのケースと理由
うつ病の診断書を書いてほしいとお願いしても、状況によっては難しい場合があります。具体的な理由は、主に以下の3つです。
- 初診や久しぶりに受診する場合
- 診断に時間を要する場合
- 診断書の発行に日数がかかる場合
ひとつずつ見ていきましょう。
1.初診や久しぶりに受診する場合
初めて診察を受ける場合や長期間受診していない場合、医師は患者様の状態を正確に確認する必要があります。
うつ病は初診で診断することが難しい病気です。
休養が必要と判断されなければ、診断書の即日発行は難しいでしょう。
また、クリニックにもよりますが、半年以上診察を受けていない場合は「久しぶりの受診」とみなされることがあります。
状態や症状が不明瞭な場合、慎重に診断を進める必要があるため、即日発行は難しい可能性があります。
2.診断に時間を要する場合
他の精神疾患が疑われる場合や症状が複数の要因にわたっている場合、より詳細な診断が必要です。
例えば、過去に躁状態を経験したことがある場合、単なるうつ病ではなく双極性障害の可能性が疑われます。双極性障害はうつ病と治療方法が異なるため、医師は過去の経過や家族歴を詳しく調査し、適切な診断を下す必要があります。
症状の経過を見る必要があり、数回の診察ではうつ病と診断できない場合、診断書をすぐに書いてもらうのは難しいと考えてください。
3.診断書の発行に日数がかかる場合
診断書の内容を正確に記載するためには、慎重に記録を確認し情報を盛り込む必要があります。
発行までの期間は医療機関によって異なりますが、大学病院や総合病院などでは、2週間程度かかる場合が多いです。クリニックによっても、1〜2週間くらい日数がかかることもあります。
即日発行が難しい場合を考慮し、診断書の発行は早めに依頼しましょう。
精神科・心療内科でうつ病の診断書を即日発行してもらうための準備
即日発行は難しいケースが多いとはいえ、事前に適切な準備を行えばすぐ書いてもらえる可能性が高まります。準備としては、以下の4つが重要です。
- 事前にクリニックに問合わせる
- 医師に診断書の目的を伝える
- 診断書の発行費用を確認する
- 病歴や症状を詳しく伝えておく
詳しく解説していきます。
1.事前にクリニックに問合わせる
診断書の即日発行に対応しているかどうかは、クリニックによって異なります。以下のような方法で事前に確認してみてください。
- 電話で聞いてみる
- Webサイトをチェックする
会社や学校に診断書を提出しなければらない場合、予約時にすぐ必要であることを伝えると、スムーズに対応してもらえる可能性があります。
2.医師に診断書の目的を伝える
医師に診断書を依頼する際には、使用する目的を明確に伝えることが大切です。休職のために必要なのか、保険請求や公的手続きに使用するのかによって、記載される内容が異なる場合があります。
3.診断書の発行費用を確認する
診断書の発行費用を確認しましょう。診断書の発行は公的保険が適用されないため、全額自己負担になります。
正確な費用については、受診するクリニックに問い合わせてみてください。支払い方法や請求に関する条件も、事前に確認しておくと良いでしょう。
4.病歴や症状を詳しく伝えておく
診断書を早めに発行してもらいたい場合、医師が短時間で適切な診断ができるよう、正確で詳細な情報を提供することが必要です。例えば、以下のような情報を前もって整理しておきましょう。
- 現在の症状
- 病歴
- 他の医療機関での診察や治療の履歴
福岡天神メンタルクリニックでも、診断書の発行に対応しています。うつ病の診断書を必要としている方は、お気軽にご相談ください。
精神科・心療内科でうつ病の診断書をもらうまでの流れ
うつ病の診断書をもらうまでの流れは、以下のとおりです。
- 受診予約する
- 診察を受ける
- 診察の発行を依頼する
- 診断書を発行してもらう
受け取るまでのステップを見ていきましょう。
1.受診予約する
まずは、予約時に診断書がほしいことを伝えてください。医師やスタッフが対応しやすくなります。
2.診察を受ける
診察では、詳細な経緯の聴取やカウンセリングなどを通じてうつ病と診断されます。すでに通院している患者様の場合は、医師は過去の診察記録や治療歴をもとに診断書を作成するため、スムーズに発行が進むことが多いです。
3.診察の発行を依頼する
診察時に再度、診断書を必要としていることを伝えてください。症状が変化している場合などは、新たな情報が診断書に反映されます。
4.診断書を発行してもらう
うつ病の診断書はクリニックによって即日、または数日から2週間程度で発行されます。郵送で受け取れる場合もあるため、確認してみると良いでしょう。
診断書は公的な書類として扱われるため大切に保管し、適切に提出してください。
精神科・心療内科でうつ病の診断書に記載される5つの内容
うつ病と診断された方の中には「診断書には何が書いてあるんだろう?」と疑問に思う方も多いでしょう。診断書に記述される内容は、主に以下のとおりです。
- 病名
- 治療内容
- 治療期間
- 症状
- 日常生活や仕事への影響
診断書は、国際的な診断基準(ICD-10など)に基づいて作成されます。ただし、記載される内容は、症状や診断書を必要とする理由によっても異なるため注意が必要です。
(出典:厚生労働省:ICD-10精神および行動の障害 臨床記述と診断ガイドライン (新訂版))
1.病名
診断書に記載される病名は、正式な診断名です。例えば、以下のように記載されます。
- 診断名:うつ状態
- 病名:抑うつ状態
- 傷病名:うつ病
病名は、症状の程度や病歴に応じて医師が判断します。
2.治療内容
治療の経過や現在行っている治療方針などが記載される内容です。薬物療法や心理療法、作業療法などが含まれます。
記載例としては、以下のとおりです。
- 抗うつ薬投与中
- 認知行動療法を実施
患者様がどのような治療を受けているか、第三者にも理解しやすくなります。
3.治療期間
診断書には、以下のように治療に必要とされる期間が記載されます。
2024年8月1日から2024年10月31日まで3カ月間の休養が必要であることを認める
治療期間が書かれているため、休職期間の目安を把握できるでしょう。ただし、期間は予測に基づいているため、経過に応じて見直される場合もあると理解しておいてください。
4.症状
診断書には、患者様の症状が記載されることがあります。例えば、以下のような内容です。
- 気分の落ち込みが持続している
- 睡眠障害がある
- 意欲の低下、倦怠感が見られる
症状は簡潔に記載されることが多いですが、診断書の目的や提出先によっても異なります。
5.日常生活や仕事への影響
診断書には、うつ病が患者様の日常生活や仕事・学業にどの程度影響を与えているかが記載されます。診断書の内容は個人の症状や状況によって異なるため、不明点がある場合は主治医に確認してみてください。
精神科・心療内科でうつ病の診断書が必要な3つの場面
精神科や心療内科でうつ病の診断書が必要な場面は、主に以下の3つです。
- 会社を休職・復職するとき
- 保険の手続きをするとき
- 公的制度を利用するとき
ひとつずつ見ていきましょう。
1.会社を休職・復職するとき
うつ病により仕事の継続が困難になった場合、休職や復職の手続きに診断書が求められます。
休職時には休職の正当性を示し、休職期間の根拠となる資料として必要です。休職期間の延長時にも、診断書が必要になることがあります。
また、復職時には、リハビリ出勤や段階的な復職の推奨が記載されることがあります。
2.保険の手続きをするとき
うつ病の診断書は、以下のような保険金請求や給付金申請の際に必要です。
- 医療保険の入院給付金
- 傷害保険の精神障害補償特約
- 生命保険の高度障害保険金請求
保険会社は診断書をもとに保険金や給付金の支払い可否を判断するため、詳細な情報が求められます。
3.公的制度を利用するとき
うつ病の患者様が利用できる以下のような公的制度を利用するとき、申請時に診断書の提出を求められるケースが多いです。
- 障害年金の申請
- 自立支援医療(精神通院医療)の利用
- 精神障害者保健福祉手帳の取得
自立支援医療は、うつ病などの精神疾患で通院する必要がある方に、通院のための自己負担を軽減するための制度です。
うつ病の診断書をもらうメリット・デメリット
うつ病の診断書をもらうことには、それぞれメリットとデメリットが存在します。
- うつ病の診断書をもらうメリット
- うつ病の診断書をもらうデメリット
ひとつずつ見ていきましょう。
1.うつ病の診断書をもらうメリット
うつ病の診断書をもらうメリットとして、以下が挙げられます。
- 必要な休養期間を確保し、治療に専念しやすくなる
- 適切な治療計画の立案と実行が可能になる
- 自分自身の状態を客観的に理解するきっかけになる
傷病手当金や障害年金、医療保険などの公的支援や保険金の申請が可能となり、経済的な不安が軽減されることも、大きなメリットでしょう。
2.うつ病の診断書をもらうデメリット
うつ病の診断書をもらうデメリットとしては、以下が考えられます。
- 精神疾患に対する理解がない職場では、周りからの印象が変化するリスクがある
- 将来のキャリアに影響を与える可能性がある
周囲の反応や将来への不安を感じる場合、主治医やクリニックのソーシャルワーカーに相談してみてください。
うつ病の診断書についてのよくある質問
ここでは、うつ病の診断書についてのよく寄せられる質問への回答をまとめました。
Q:うつ病の診断書があればすぐに休職できますか?
A:診断書があれば休職は可能ですが、会社の手続きや規定に従う必要があるでしょう。休職期間の長さは症状の重症度によって異なり、場合によっては段階的な勤務軽減から始めることもあります。
また、企業によっては休職にあたって産業医の判断が必要なこともあるため、事前に確認しておきましょう。
Q:オンライン診療であれば、うつ病の診断書をすぐにもらえますか?
A:オンライン診療でも診断書を発行することは可能です。しかし、病状の把握が不十分な場合や初診の場合は、対面診療を求められる場合があります。
また、通常は数回の診察を経て発行されることが多いため、すぐに発行できるとは限りません。
Q:うつ病の診断書は誰でも書いてもらえますか?
A:うつ病の診断書は、医師が診断の上で必要と判断した場合にのみ発行されます。症状や状況に応じて判断されるため、誰でも簡単に取得できるわけではありません。
まとめ
うつ病の診断書は、即日発行が可能な場合もありますが、状況によっては時間がかかることもあります。診断書の取得には、事前の準備や医師とのコミュニケーションなどが重要です。
うつ病の診断書をもらうことにはメリットとデメリットがありますが、適切に活用することで必要な支援を受け、治療に専念できる環境を整えられます。
福岡天神メンタルクリニックでは、休職申請用の診断書を最短即日で発行可能です。発行のためのカウンセリングは、精神科専門医の他、公認心理士などが患者様一人ひとりの専門カウンセラーとして対応します。
その後の治療も対応できるため、診断書を必要としている方はまずはご相談ください。