目次
うつ病(鬱)とは

うつ病(鬱)は気分障害の一つ
うつ病とは気分障害の一つで、憂鬱な気分が抜けず常に気分が落ち込む状態になる病気です。頑張りたくてもやる気が出なかったり、寝ても疲れが取れずに身体が怠くなったりするなど、精神と身体の双方に症状が生じます。無理をして症状を放置すると、普段の生活に支障を与えるようになり、何十年も病気が治らないほどに重症化する恐れも。うつ病は早期発見と早期治療が重要です。うつ病と双極性障害(躁うつ病)の違い
うつ病と双極性障害(躁うつ病)は症状に大きな違いがあります。うつ病が憂鬱な気分や不眠、やる気が出ないなどのうつ症状が見られる一方、双極性障害はうつ症状と躁状態を交互に繰り返す病気です。躁状態とは、興奮状態となって気分が過剰に明るくなったり、自信過剰になって怒りっぽくなったりする症状のこと。双極背障害はうつ病と間違えられやすく、誤診されて治療法を間違えると、症状を悪化させる危険性があります。日本では一生で15人に1人がうつ病を患うとの統計が取られ、極めて少ない病気ではなくなりましたが、きちんと見極めのできる医師の元で治療をしなければ人生を左右し得る疾患なのです。うつ病(鬱)の種類
うつ病には次のようなものがあります。非定型うつ病 (新型うつ病びょう、現代型うつ病)

特徴 | 自分の好きなことをしていたり、遊びの日であったりする時は気分が良いが、様々な不安に直面すると急に泣き出したり、人前に出ると過度に緊張してしまったりする、20代〜30代の若い女性に多い病気。 |
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症状 | 過食症状、他責思考、過眠症状、朝起き上がれないなど |
メランコリー型うつ病

特徴 | 典型的なうつ病といわれ、仕事や環境に適応しようとする内に、脳のエネルギーを使いすぎてしまった状態。転職・進学や季節の変化、妊娠・出産などをきっかけとして発症のきっかけとなる。 |
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症状 | 好きだったものもやる気が起きない、気分が晴れる出来事が一切ない、食欲不振による体重減少、朝に絶望感を感じて起き上がれない、自責の念など |
うつ病の原因
うつ病を発症する仕組みは、正確には分かっていません。人間のやる気や感情は、脳内の化学物質である神経伝達物質によって左右されています。神経伝達物質は前頭前野で生成され、何らかの問題が生じてそれらの化学物質のバランスが崩れることが、うつ病発症に影響していると考えられています。うつ病発症の原因となるキッカケには、「性格(気質)」と「環境要因」の大きく分けて2つがあります。原因1. うつ病になりやすい性格(気質)|真面目、完璧主義、神経質、我慢しやすい、自分に厳しいなど

参考文献:
うつ病発症と遺伝子 / 環境相互作用
原因2. 環境要因|転職・失業、就職、進学、転居、妊娠・出産、死別など

うつ病のサイン・特徴
うつ病を発症している人の特徴に気づくには、様々な変化を感じ取ることが大切です。次に、うつ病のサインとも言える特徴について説明します。参考文献:
厚生労働省「うつ病」
サイン・特徴1. 前よりも顔つきが暗くなった

サイン・特徴2. 清潔感など見た目にこだわりがなくなった

サイン・特徴3. 一気に痩せたり、太ったりした

食欲不振 | 過度なストレスによって胃腸が弱っている、脳の食欲を司る視床下部の働きに異常が生じている |
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過食 | ストレス解消として食べてしまう、不安症状を抑え込むために食べていないと落ち着かない |
サイン・特徴4. 人との関わりや会話が減った

サイン・特徴5. 遅刻や欠勤が増えた

サイン・特徴6. 引きこもりがちになった

うつ病の症状
うつ病の症状は重症度によって変化が見られます。初期、中期、重度の症状に分けて説明します。参考文献:
MSDマニュアル家庭版「うつ病」
うつ病の初期症状: 眠れない、罪悪感、焦燥感、自信喪失などの気分の変化

うつ病中期(中等度)症状: 朝に起きれない絶望感、動けないなどの日常への影響

うつ病の末期(重度)症状: 自殺願望や自責感などの日常が送れない状況

うつ病セルフチェック
- 最近ずっとやる気が起きずに気分が落ち込んでいる
- 不眠で夜になかなか眠れない
- しっかり寝ても疲れが取れていない
- 朝が憂鬱で仕事を休みがち/遅刻しがちになった
- 最近、人とのコミュニケーションを避けたくなった
- 集中できず考えがまとまらない
- 食欲不振や過食で体重の大きな増減があった
- 表情を作ることが億劫になり笑顔が減った
※このリストはあくまで参考情報であり、適切な診断や治療は医師の相談が必要です。
これらの症状が2つ以上当てはまり、2週間以上毎日のように繰り返されていたり、普段の生活に支障があったりする場合には、うつ病の可能性があります。うつ病かもしれないと感じた際には、早期発見・治療のためにも迅速に医療機関へ相談することをおすすめします。
医療機関を受診することで、うつ病の診断が正式に確定します。精神疾患の診断に対して不安やマイナスな印象を受ける方もいますが、病院でうつ病の診断を受けることにはしっかりとしたメリットがあります。
病院でうつ病の診断を受けるメリット
医療機関でうつ病の診断を受けた場合、適切な治療計画を練ることで早期改善が期待できると共に、健康状態に合わせた行政や地方自治体などの公的機関によるサポートを受けられる場合があります。例えば、病院へ行かず自己判断で仕事を休み始めてしまった場合、休業手当や病床手当を申請しても診断を受けた日からしか支給されず、休んだ日数分の満額を受け取ることはできません。 また、うつ病の診断書を用いて精神障害者保健福祉手帳を発行すると、就労支援や医療費控除を受けられます。 このように病院でうつ病の診断を受けることで、様々な行政的サポートを受けられるようになります。うつ病の治療・対処法
うつ病を改善させるためには、適切な休息を摂った上で治療や対処を行う必要があります。また、複数の治療法を併用することで、うつ病改善の効果を促進できることも。福岡天神メンタルクリニックでは、患者さんのご要望に合わせた治療法が見つけられるよう、選択肢として様々な治療法をご提案いたします。最初に、適切な休養が最も大切です
うつ病を改善して完治させるためには適切な休養が必要不可欠です。うつ病発症の原因となったストレス源から距離を置くことで、しっかりと心を休めながら治療に専念することで、より早く元気になれる可能性が高まります。 「働かなければ生活ができない…。」と不安な方は、地方自治体などが提供する自立支援医療制度や、精神障害者福祉手帳の交付により得られる福祉サービス、休業手当・病床手当の申請などを活用すると良いでしょう 福岡天神メンタルクリニックでは、会社への休業申請や福祉制度の申請に有効な診断書を最短で即日発行しております。初診・再診に関わらず当日予約も受付中です。今解消したいあなたのお悩みを解消しませんか お気軽にご相談ください。治療法1. 薬物治療

セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)
効果概要 |
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SSRIはセロトニンと呼ばれる神経伝達物質の再取り込みを阻害し、脳内のセロトニン濃度を増加させます。主なSSRIには、セルトラリン(ジェイゾロフト)、フルボキサミン(ルボックス)などがあります。SSRIは副作用が比較的少なく、軽度から中等度のうつ病に対して効果的です。 |
副作用 |
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神経過敏、性的機能の変化、睡眠障害、消化器症状、食欲変化、頭痛、錯乱・不安症状など |
セロトニンおよびノルアドレナリン 再取り込み阻害薬(SNRI)
効果概要 |
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SNRIはセロトニンとノルアドレナリンという2つの神経伝達物質の再取り込みを阻害します。代表的なSNRIにはベンラファキシン(イフェクサー)やデュロキセチン(サインバルタ)があります。SNRIは、うつ病や神経障害性疼痛に対して有効であり、より重度の症状に対しても効果的です。 |
副作用 |
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神経過敏、性的機能の変化、悪心・嘔吐、睡眠障害、消化器症状、食欲変化、頭痛など |
三環系抗うつ薬(TCA)
効果概要 |
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TCAは、セロトニンおよびノルアドレナリンの再取り込みを阻害するとともに、他の脳内物質との相互作用も行います。代表的なTCAにはアミトリプチリン(トリプタノール)、イミプラミン(トフラニール)などがあります。TCAは効果が高いものの、副作用が多く注意が必要です。 |
副作用 |
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鎮静効果、抗コリン作用、体重増加、頻脈、低血圧、錯乱・興奮、性的機能の変化、めまい、発汗など |
治療法2. 精神療法

公認心理師・臨床心理士による カウンセリング|認知行動療法
うつ病治療としての認知行動療法は、人々の思考や行動が感情や心理的な問題にどのように関連しているかを把握し、うつ病につながる考え方の癖を改善する治療法です。 うつ病に悩んでいる人は、否定的な思考や行動パターンを持ちがちです。例えば、自己否定的な考え方、無力感、希望の喪失などの癖をポジティブな捉え方に変えていくことで、うつ状態のきっかけとなる後ろ向きな思考の連鎖から抜け出すことを目指します。自分の考え方を変えるには、まず自分を理解し受け入れることが大切です。「今ここにある自分」を意識して現実を受け入れながら、感情に左右されない心を養うマインドフルネスの考え方を取り入れることで、うつ病の再発防止に効果があります 福岡天神メンタルクリニックで実施する認知行動療法は、公認心理師や臨床心理士といった専門家によるカウンセリングを通して実施します。ご希望される方は、来院時にスタッフへお声がけください。治療法3. 【自由診療】TMS治療(磁気刺激治療)

TMS治療について
使用目的又は効果 | 磁気を用いて中枢神経又は末梢神経を刺激し、生体の誘発反応の検査に用いる。 |
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リスク・副作用 | 頭皮痛、刺激痛、顔面の不快感、顎関節・肩こり、頭痛が起こる場合があります。 また、非常にまれですが、けいれん発作が起こる場合があります。 |
金額 | 8回コース 88,000円(税込) |
未承認医薬品等 |
この治療で使用されるTAMASは検査や臨床研究用として医薬品医療機器等法上の承認を得ています。 医療機器認証番号:228AIBZX0009000 |
入手経路等 | 当院で個人輸入しております。 |
国内の承認医療器具の有無 | 国内においてはTAMASとは別のNeuroStar TMS治療装置が厚生労働省より承認を取得しています。 |
請外国における安全性等に係る情報 |
CE(ヨーロッパ) ALTMS/CE 612074 アメリカFDA ALTMS Magnetic Stimulation Therapy System/K202537 台湾 ALTMS / TFDA 037199 カザフスタン TAMAS / KZ80VBP00009510 韓国 TAMAS / 許可 05-96 中国 TAMAS / SFDA(1) 20132262413 香港 TAMAS / HK0011501138 日本 TAMAS / 228AIBZX00009000 コロンビア TAMAS/2015001413 ロシア TAMAS/P3H 2013/152 |
医薬品副作用被害救済制度について | 万が一重篤な副作用が出た場合は、国の医薬品副作用救済制度の対象外となります。 |
うつ病のサポート支援
福岡天神メンタルクリニックでは、うつ病のサポート支援として社会復帰の先駆けとして有効なリワークへの紹介状や、行政のサポートを受けるために有効な診断書の発行を実施しております。このような、うつ病に対するサポート支援についての詳細をご紹介します。サポート1. 職場復帰・就労支援

サポート2. 休職や復職に必要な診断書を最短で即日発行!すぐに受け取れるので安心

サポート3. 休業・傷病手当や精神障害者保健福祉手帳などの申請もサポート

参考文献:
厚生労働省「休業手当について」
参考文献:
厚生労働省「福祉・介護障害者手帳」
うつ病でよくある質問
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うつ病と診断された場合、仕事を休む必要がありますか?
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症状が軽ければ、必ずしも休職や休学をする必要はありません。仕事や学業を続けながら治療を行うことができます。治療の際のご希望は、お気軽に医師にお伝えください。
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うつ病が治癒するまでには、どれくらいの時間がかかりますか?
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症状の重さにより異なりますが、統計によるとうつ病の治癒には3ヶ月から半年の休養が必要とされています。
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うつ病の治療には、カウンセリングだけでは不十分ですか?
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うつ病の症状が軽い場合、カウンセリングのみで治療が可能なこともあります。ただし、自己判断は難しいため、専門医が患者さんの状態や症状に応じて治療計画を決定します。カウンセリングのみで症状が改善するか知りたい方は、ご予約の上、一度ご来院ください。